奄美大島/加計呂麻島①

2023.11.19

11月上旬に奄美大島と加計呂麻島に行ってきました。目的は奄美の自然を描いた画家、田中一村の美術館に行きたかったのと、寅さん48作目のロケ地である加計呂麻島を訪れたかったからです。あと南国の植物も見たかったので。何回かに分けてこの旅をご紹介します。今回は田中一村です。
栃木で生まれ東京、千葉と移り住み50歳で自分の絵を描くために奄美に移り住みました。生活はかなり苦しかったようですが自分の命を削ってまで絵を描くために生きた画家です。数年前千葉市美術館で一村の絵を見ました。「アダンの海辺」です。アダンの実の力強さと、葉と幹の生命力ある描写に驚きました。そして海と砂浜の静けさが美しい絵でした。この絵をきっかけに一村と奄美の植物に興味を持ちました。一村には2つの大作があり「アダンの海辺」と「クワズイモとソテツ」です。その「クワズイモとソテツ」を奄美で見ました。そこには、むせかえるような濃密な植物が描かれていて、生命力に溢れた形と色彩に圧倒されました。クワズイモの隙間から見える水平線と島が気になります。遠い故郷を思って描いたような気がして少し寂しげに見えました。一村が描いた植物達(アダン、クワズイモ、クロトンやソテツ、ビロウ、ヒカゲヘゴ)も見ることができ、同じ土地に立ち彼が描いた世界を少しでも体験できて嬉しかったです。

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