ジョアン・ジルベルト、クリスチャン・ボルタンスキ-

2019.09.17

今年7月に亡くなったボサノヴァの神様、ジョアン・ジルベルト。ジョアンに会うため、ジョアンゆかりの地や彼と関りを持った人達を訪れる映画「ジョアン・ジルベルトを探して」を見ました。ジョアンにはなかなか会えないが、リオの景色や流れてくるボサノアヴァがすばらしい。この映画を見ていると〝ジョアンやジョビンが作ったボサノヴァは風や日差し、雨や雲といった自然と同じ。だから心地よいし永遠につかまえることはできない〟と誰かが言っているようだ。レコ-ド屋さんで好きな曲を聞かれ、オバララ-が流れる。このシ-ンはよかった。僕だったら「まなざし」だなと勝手に妄想したり。あとラストシ-ンからエンドロ-ルへの繋ぎ方もよかった。当分、オバララ-が頭から離れそうにないです。
改めて、ジョアンの音楽、ボサノヴァの魅力を感じさせてくれた映画でした。

フランスの現代ア-ト作家、クリスチャン・ボルタンスキ-展へ。インスタレ-ションのおもしろさを体験できた展示でした。黒いコ-トを積み上げて作ったボタ山。壁面に吊下げられた衣類。これらの作品は質感、重み、熱、においを連想させ圧倒的な存在感がデジタルやヴァ-チャルといった我々を取り巻く世界を否定しているようです。また暗い空間で裸電球1つで作品を照らしたり、天井から吊り下げられた裸電球を振り子のように揺らして作品を見せたりと、光と影の空間も作品の一部として体感できる。美術展であの暗さは画期的。

長久保健二設計事務所
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